一冊の本から始まる旅。ET的ブックスケッチ『旅の記憶』編

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50歳からはじまった旅人生

ひとりで旅することは、ひとりで生きることにもつながる――。そう思います。自由にやりたかったら、自分でなんとかする。自分で責任をとる。時には誰かに力を貸してもらうけれど、それも自分の力量のうちです。――『旅の記憶』(有元葉子/講談社)より

編集者として働いた後、妊娠・出産を機に専業主婦に。ひょんなことから料理を仕事にすることになったという料理家の有元葉子さん。

家族中心で生きてきた30代から40代。子育てがひと段落してきた50歳の頃から、有元さんの「旅人生」がはじまりました。

朝起きた瞬間から夜寝るまで、「誰かのために」を最優先に動くくせがついていた有元さんにとって、ひとり旅は「生きるための動物的勘」を取り戻す時間だったといいます。

旅先で見つけた宝物たち

『旅の記憶』は、有元さんにとって初めての旅エッセイ集。

ついには住まいを持つにまで至ったイタリア、イタリアと同じくらい好きだというベトナム、ロンドン・ニューヨーク・パリ。

サルディーニャ島で運命的に再会したレース編みのような籠。メコン川で出会い、日本でもさっそく真似をしたフルーツに唐辛子塩をつけて食べるアイディア。ハノイの街で幻のように消えた屋台で食べたレバーの焼きそば。

旅先で見つけた素敵なものと美味しい食べ物が、写真と共にたっぷり紹介されています。

人生を味わいつくすレシピ

できるときにやりたいことをやっておく。旅もそうです。行きたいときに、行きたいところへ行っておく。――『旅の記憶』より

突然のひらめきで、イタリアに家を買うことになった有元さん。
現地の人に物件探しをお願いし、何度も何度もイタリアに飛んでは内見を繰り返し、「ここだ」と決めてから家族に発表したそう。

家族の反応は好意的なものだったといいますが、そのときはまだ日本でも家を買ったことがなかったというからびっくり。

年齢や常識など、自分を縛るものから軽やかに自分を解放し限りある時間を豊かに味わいつくすのが、有元さんの人生のレシピといえそうです。

 

有元さんのレシピに想像を膨らませながら食欲を刺激するように、旅や人生についても思いを馳せてみては?

WRITTEN BY

梅津 奏

Kana Umetsu

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