このホテルに泊まりたい理由。Vol.23 モダンとアート、工芸が交差する【エースホテル京都】

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西洋と東洋、伝統とモダン、アートと工芸。
そして人々の暖かさが交差する地域の拠点

2020年、観光にも便利な京都市営地下鉄・烏丸御池駅に直結する「新風館」内に、同館と同日オープンした【エースホテル京都】。

かつての旧京都中央電話局の面影を残す保存棟と、新しく生まれた増築棟が融合するこの複合施設の中核を担っています。

世界各地に展開するエースホテルにとって、京都はアジア初進出の地。

西洋のデザイン感性と京都らしい日本の伝統とが響き合う空間に、決して肩肘を張らない自由な空気が満ちています。

 

スタイリッシュでありながらあたたかな雰囲気を完成させるのは、スタッフのフレンドリーな対応。

まるで自宅に招いた友人をもてなすかのようなムードに、こちらも思わず笑顔に。
それぞれの個性を活かした自由な装いからも、エースホテルらしさを感じられます。

 

【エースホテル京都】が位置する烏丸御池は、老舗の町家や静かな寺社、感性を刺激するギャラリーやカフェが点在するエリア。

誰でも自由に立ち寄れる開かれたロビーは、そんな地域とホテルをつなぐ拠点。

新風館や地下鉄へ直結する出入り口もあり、さまざまな人が交差するコミュニティとしての役割も担っています。

【エースホテル京都】に泊まりたい3つの理由

1. 創業の精神が今も息づく、アートに満ちた空間

1999年、ツアー中のミュージシャンの友人たちのために居心地のよい滞在場所をつくりたいという創業者の想いから、シアトルの地で誕生したエースホテル。

アジア初上陸となった【エースホテル京都】でも、その哲学は健在。

すべての部屋には、自由に音楽を楽しめるレコードプレーヤーが。
また、一部の部屋にはギターも備えられています。

レコードは部屋に備えられた5枚のほか、ロビーにあるおよそ600枚のライブラリから選ぶことも可能。

ふと手に取ったレコードに針を落とす時間は、旅の想い出をより贅沢にしてくれること請け合い。

 

アーティストとの協働イベントやサポートする活動にも力を入れているのは、彼らの存在があって生まれたエースホテルだからこそ。

気軽に参加できるライブショーや、京都はもちろん世界で活躍するDJを招いたイベントなどを頻繁に開催。

 

ロビーの壁を飾る印象的なファブリックアート作品は、鹿児島の福祉施設「しょうぶ学園」内の工房で制作されたもの。

プレイフルかつカラフルで自由な表現が、【エースホテル京都】の空気感とも見事に呼応しています。

 

同じくロビーのギャラリーでは、アート作品の期間限定展示も。

取材時点では、カルチャー&ライフスタイル誌『BRUTUS』をキュレーションパートナーに迎えた「アーティスト・イン・レジデンス(AIR)2026–2027」のプロジェクトが進行中。

2026年10月31日(土)までは、第二弾として迎えたイラストレーター・Noritake氏による展示「KYOTO」を楽しめます。

2. 名匠たちのこだわりが光る数々の意匠

建築デザインを監修したのは、世界的な建築家・隈研吾氏。

京都の歴史的建造物を活かした保存棟と、木のぬくもりを大切にした増築棟が違和感なく溶け合う様は見事。

まさに「East Meets West」というコンセプトを空間全体で体現しているよう。

 

内装は主にロサンゼルス(カリフォルニア)を拠点とするデザイン集団「コミューン・デザイン(Commune Design)」が担当。

印象的なカーテンは、日本の人気ブランド「ミナ ペルホネン(minä perhonen)」の別注テキスタイル・ファブリックを採用。

 

「たたみスイート」の客室に設えられた雲のような照明は、日本のアーティスト・清原遥氏によるもの。

 

そして、館内の至るところで目に入るオリジナルフォントは、染色工芸家・柚木沙弥郎氏によるもの。

【エースホテル京都】のためだけに考案されたという、あたたかみがありどこかチャーミングなフォントが印象的。

もともと各地のエースホテルのユーザーだったという柚木氏が、「エースのためなら」と快諾してくれたのだそう。

 

エレベーターホールを見守るようなネオンアートにも注目。

HYSTERIC GLAMOURの創設者・デザイナーの北村信彦氏による大日如来とともに、国籍を問わず多くのゲストが記念撮影をするというエピソードにも納得。

あらゆる場面で垣間見える、西洋のデザイン感性と、日本各地の伝統職人によるクラフトマンシップとの協業。

一つひとつの意匠を見つけて歩くのも、【エースホテル京都】ならではの楽しみ方です。

3. 京の恵みが紡ぐ豊かな食体験

【エースホテル京都】を訪れるなら、食を楽しむのも忘れずに。

館内には、ポートランド発『Stumptown Coffee Roasters』の日本1号店、手打ちパスタと窯焼きピザが自慢のオステリア『Mr. Maurice’s Italian』とそのルーフトップバー、アメリカ西海岸ルーツのタコスバー&ラウンジ『Piopiko』、そしてメインダイニングとして京の恵みを新しい一皿に仕上げる『KŌSA』と、異なる食体験が叶う4つの空間があります。

中でも【エースホテル京都】のダイニングシーンを語るうえで欠かせないのが、メインダイニング『KŌSA(コウサ)』。

 

「モダン・キョウト・ステーキハウス」をコンセプトに掲げ、伝統的なステーキハウスの魅力に軽やかさや季節感を重ねたメニューを展開。

料理を通して表現するのは、京都の土地が育む恵みと、食材と真摯に向き合う生産者への敬意。
看板の神戸牛や京都牛を使用した肉料理に加え、京都野菜の魅力を存分に引き出したベジタリアンメニューも用意し、創造性を持った一つのコースとして完成された食体験を届けています。

店名は植物の名前に由来し、「東と西の交差」「人と人との交差」するという意味も含まれているそう。

老舗の京提灯メーカー【京提灯 小嶋商店】による大きな提灯のやさしい灯りが、京都でのまたとない時間を照らしてくれます。

 

京都産黒毛和牛「京の肉」のステーキ(画像はサーロイン・フィレ)」は、溜め息がもれるほどの旨みと柔らかさ。

生産者と食材への敬意までをも感じさせる、上質な味わいに感動します。

甘さまでも感じさせる味わいには、塩やわさびだけというシンプルな嗜み方もおすすめ。

そして同時に、添えられた野菜のおいしさにも驚くはず。

 

そんな野菜のおいしさを存分に堪能したいなら、「KŌSAハーベストサラダ」も必食。

使われているのは、京都・鷹峯で400年以上の歴史を持つ伝統農家【樋口農園】の希少な京野菜。

色とりどりの野菜たちをひとくち頬張るごとに、自然の恵みをいただいていることを実感。大切に育まれてきたことがうかがえるおいしさに感嘆する一皿です。

 

食後には、こだわりのデザートも楽しみたいところ。

濃厚なコクがありながらも決して重くなく、なめらかな舌触りがたまらない「一保堂の抹茶チーズケーキ」などのシグネチャースイーツのほか、「シャインマスカットのタルト」など季節の素材を使用したメニューも。

 

灯りが落ち着いた夜と澄んだ光が満ちる朝では、また異なる表情を見せてくれる『KŌSA』の空間。

 

セットメニューでは、7種類のメインからひとつをセレクト。

フレッシュな野菜にスモークサーモンが添えられたアボカドトーストのセット「カリフォルニア」など、目移りしてしまうラインナップです。

 

天井高7メートルの開放的な空間から、ランドスケープアーキテクト・宮城俊作氏が手がけた日本庭園を望めるのも『KŌSA』の魅力。

素材そのものの味わいを引き出しながらも、新しさを加えて仕上げられた一皿一皿に舌鼓を打ちながら、豊かな時間を過ごせること請け合い。

ESSENTIAL TRAVELステイレポート

京都の伝統と西洋のセンスが交差する場所でありながら、いい意味でカジュアルな、どこか懐かしいような居心地のよさを持ち合わせた【エースホテル京都】。

にぎやかなロビーに集った人々と笑顔を交わし合い、部屋でレコードに針を落とし、『KŌSA』で京の恵みを味わう。そんな一つひとつの瞬間が、京都への旅をより忘れられないものにしてくれるはず。

 

音楽、アート、工芸、そして食。次に京都を訪れるときは、多彩なカルチャーが濃密に息づく【エースホテル京都】での滞在をプランに入れてみては?

 

 

WRITTEN BY

新井 美由紀

Miyuki Arai

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