美術館で過ごす豊かなる非日常。【東京都庭園美術館】『建物公開2024 あかり、ともるとき』

美術館で過ごす豊かなる非日常。【東京都庭園美術館】『建物公開2024 あかり、ともるとき』

余韻に浸る、芸術の記憶

旅先での出会いにときめきを感じて感性を磨くのは、旅の大事な要素の一つ。

持ち帰った現地での記憶はその後の日常を彩るとともに、旅を反芻し、余韻に浸らせ〈その時〉に連れ戻してくれるきっかけになり得ます。

今回は都内にありながら非日常を感じさせてくれる【東京都庭園美術館】で開催中の、時を超えたフランスの様式美と日本文化が織りなす『日本のアールデコ』を訪れて、新しい感性に触れました。

 

およそ100年の時を超えた、日本のアール・デコに触れる。

日本庭園美術館は、宮家・朝香宮家の自邸として1933年(昭和8)に建てられ、その後1983年(昭和58)に美術館として開館。

朝香宮夫妻は1920年代に留学としてフランス・パリに滞在。

当時フランス・パリではアール・デコ様式が最盛期を迎えていました。

 

幾何学的な直線。
シンプルな中に目を引くデザインの『アール・デコ』

大胆な線をあしらえ、想像をかきたてる余白を組み入れたデザイン。

アール・デコとはフランス語の「装飾美術(Arts Déco)」を語源とし、1910年頃から1930年頃にフランスをはじめ、欧米圏で流行した様式。

アール・デコ様式が花開いたのは、1925年パリで開催された『現代産業装飾芸術国際博覧会(パリ万国博覧会)』において直線や円を用いた幾何学的デザイン装飾がふんだんに使用されたことがきっかけ。

当時のフランスでアール・デコの様式美に魅了された夫妻は、帰国後、フランスの装飾美術家や宮内省内匠寮の技師らにより、アール・デコを取り入れた邸宅を完成させたのが、この建築なのです。

 

見上げて感じる。あたたかくも独創的に輝く照明。

 

 

天井や壁面に据えられた照明の多くは、この邸宅のために制作されたとされており、あしらわれているのはこだわりの材質やディテールの数々。

 

竣工時から途絶えることなく当時のアール・デコ様式を現代に伝える邸宅は、国の重要文化材にも指定されています。

 

来年2025年には、パリ万国博覧会からちょうど100年。

当時のフランスの建築美を後世に伝える東京庭園美術館へ、この秋、足を運んでみては?

 

 

WRITTEN BY

moeko

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