ロンドン・V&A発。
王妃の“スタイル”を紐解く世界巡回展
《コートドレスのマリー・アントワネット》フランソワ=ユベール・ドルーエ 1773年 油彩、カンヴァス ヴィクトリア&アルバート博物館蔵
歴史上もっともスキャンダラスで、同時に今なお多くのファンを魅了し続けるフランス王妃、マリー・アントワネット。
その装いやインテリアのセンス、さらには生き様までもが人々に与えた影響は計り知れません。
現在横浜・みなとみらいの【横浜美術館】で開催されているのは、彼女の“スタイル”に迫る展覧会『マリー・アントワネット・スタイル』。

本展は、イギリス・ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が企画した世界巡回展。
最初の巡回の地であり、国内唯一の会場でもある【横浜美術館】に、ドレスや宝飾、家具調度品、絵画、版画、写真など約200点が一堂に会しています。
18世紀後半の宮廷ファッションから2025年のオートクチュールまで、実におよそ250年にわたる“マリー・アントワネット・スタイル”の系譜を辿ることができる、見応えたっぷりの構成。
王妃が歩んだ人生と歴史、その影響までをも辿る全3章
展覧会は、王妃が生きた時代を追う第1章「マリー・アントワネット:スタイルの源泉」、19世紀以降の再評価をたどる第2章「追憶と偶像化」、そして現代への影響を紹介する第3章「永遠に新しく」の全3章構成。
数ある展示品の中でも、とくに見逃せない見どころとは?
《ローブ・ア・ラ・フランセーズ》フランス製 1760年代(1770年代に加工) 絹、光沢をつけた麻 ヴィクトリア&アルバート博物館蔵
展覧会の序盤を飾るのは、1760~80年代の宮廷文化を今に伝えるドレスやジュエリーの数々。
例えば「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」は、アントワネットの時代を象徴するスタイルのひとつ。そのアイコニックなデザインはもちろん、職人の技術が活きるこだわりの柄にも注目を。
《織地の靴》フランス製 1750年代(布地:1730年代) ヴィクトリア&アルバート博物館蔵
驚くほど華奢なポンパドール様式の靴は、足を小さく見せるために内側に湾曲したヒールが特徴的。
《「貴石とその装飾品への活用法について」第80図》デザイン:ジャン・アンリ・プロスペル・プージェ エッチング:P. F. クルトワ 1762年刊行 ヴィクトリア&アルバート博物館蔵
豪奢な宝飾品の傍には、当時の貴重なデザイン画も。
王妃の装いを支えたモード商たちのサヴォアフェールと、現代でも通用するデザイン性の高さには驚くばかり。
『マリー・アントワネット・スタイル』展示風景(横浜美術館、2026年)
華やかな宮廷ファッションの一方で、アントワネットが晩年に愛したのが、ヴェルサイユ宮殿の敷地内にある離宮「プチ・トリアノン」での暮らし。
会場では軽やかな田園風に変化した装いの数々や、王太子誕生を祝う扇子や食器など、母としての一面が覗ける品々にも出会えます。
《通称「サザーランド・ダイヤモンド」》オリジナルのネックレス:フランス製 1780年代に加工 ヴィクトリア&アルバート博物館蔵
そんなアントワネットの評判に影を落としたのが、かの有名な通称「首飾り事件」。実際には関与していなかったにもかかわらず、その信望は失墜していくことに。
会場では、事件の発端となった首飾りの一部と伝わるダイヤモンド《通称「サザーランド・ダイヤモンド」》の展示も。中央の一粒だけでも約15カラットという、燦爛たる輝きは必見。
《フランス革命で用いられたギロチンの刃》フランス製 1791ー93年頃(アーカイヴ) マダム・タッソー・ロンドン
そして1789年のフランス革命を経て、1793年に37歳の生涯に幕を閉じたアントワネット。
処刑に用いられたと伝わるギロチンの刃は、時代の転換点となったフランス革命の空気を静かに伝えています。
『マリー・アントワネット・スタイル』展示風景(横浜美術館、2026年)
展覧会後半の第3章では、アントワネットの“スタイル”にインスパイアを受けた現代のクリエーターたちによるファッションやデザイン、映画や音楽などにフォーカス。
モスキーノの2020–21年秋冬コレクションは、“マリー・アントワネット・スタイル”を大胆に生まれ変わらせたデザインの代表格。
『マリー・アントワネット・スタイル』展示風景(横浜美術館、2026年)
ソフィア・コッポラ監督による映画『マリー・アントワネット』(2006)の衣装も見どころのひとつ。
展示空間には映像やサウンドスケープを取り入れた演出も施され、視覚だけでなく聴覚からも世界観に浸れます。
『マリー・アントワネット・スタイル』展示風景(横浜美術館、2026年)
ディオールやヴィヴィアン・ウエストウッドのドレスは、アントワネットを象徴する華やかな高貴さに現代的なエッジを効かせた、アヴァンギャルドなスタイルが印象的。
マリー・アントワネットという絶対的アイコンのスタイルが、再解釈されながら現代にまで脈々と受け継がれていることを体感できる展示になっています。
オリジナルグッズで、ふとした日常に“アントワネット・スタイル”を

鑑賞を終えた後は、ミュージアムショップへの訪問も忘れずに。
王妃のイニシャル「MA」を組み合わせたロゴを配置したバッグやポーチ、花柄がプリントされたストラップやシアーソックス、肖像画をあしらったノートやチャームなど、目移りしてしまうほどのラインナップ。
もちろん、定番のポストカードやマグネットなども。人気のドレスチャームはブラインドなので、どれが入っているかお楽しみ。
ほかにも紅茶ブランド『ニナス』、芦屋ロサブラン、ベルサイユのばらやハローキティなど、人気ブランドやキャラクターとのコラボグッズも豊富。
すぐに売り切れてしまうグッズも多いので、販売状況は公式Xでの確認がおすすめです。

華やかな宮廷文化を発展させながら、数奇な運命を辿ったフランス王妃 マリー・アントワネット。
彼女によって遺された数々の品々、そして現代にまで息づく彼女のスタイルの片鱗に触れれば、今もなお多くの人々を惹きつけ魅了し続ける秘密への扉が開くはず。
多角的な展示を通して立体的に浮かび上がる“マリー・アントワネット・スタイル”を、ぜひ【横浜美術館】でご体感あれ。
INFORMATION
マリー・アントワネット・スタイル
会期:2026年8月1日(土)~11月23日(月・祝)
会場:横浜美術館(神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1)
開館時間:10:00~18:00(11月21日、22日は~20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:木曜日 ※ただし8月13日、9月24日、11月19日は開館
入場料:一般2,500円、大学生1,600円、中学生・高校生1,000円
URL:https://www.marie2026.jp/
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